CRM分析の必要性と代表的な顧客分析
CRMにおける顧客分析とは
顧客分析と聞いてイメージするものは、企業や部門、あるいは担当者によって異なってくるのではないでしょうか。一般的にマーケティングにおける顧客分析とは、自社商品・サービスが、どのような像(消費者)にニーズがあるのか、潜在顧客、市場規模や成長性など市場を対象としたリサーチ、あるいは3C分析の一つに代表されるようなものとなります。一方、CRMにおける顧客分析とは、一度は自社商品・サービスを利用した顧客が再び利用しているのか、どのような購買行動をして継続しているのかなど、自社顧客を対象とした分析です。つまり、分析対象とする層が異なります。これは、CRMという概念から自社顧客を維持し続けるために要因や現状を探るための分析だからです。
CRMにおける顧客分析は、顧客の属性と購買履歴やお問い合わせ履歴と言った行動データだけでなく、昨今では、広告やメディア接触、キャンペーンなどマーケティング施策に対する反応も掛け合わせて見るようになりました。この背景には、顧客に関するデータと、広告やマーケティング施策データとのシステム面でのデータ連携ができるようになったことにあります。施策の反応も絡めた顧客の購買行動を分析することで、顧客に対するサービスの取り組みや施策改善を早くすることが可能となり、顧客価値を高めることに繋がります。
顧客分析の目的
顧客の動きは数値に表れる
中長期的な事業成長を目指したCRM戦略や顧客戦略、マーケティング戦略を立案実行するには、売上に大きな影響を与えている数値(要因)を探る必要があります。分析結果に表れた顧客の傾向から、アプローチすべき"顧客ターゲットとタイミング"を割り出し、顧客に適した施策を実施していきます。現状や要因がわからなければ適切な活動や対策がとれず、顧客ロイヤリティ向上を図ることが難しくなります。場合によってはサービスと思って実施していた施策が顧客離れの要因となっていたということもあり得ます。顧客の動きは、売上だけでなく、来店頻度、購買傾向、離反率などに数値として表れます。CRM効果を最大限にするには、顧客の行動を数値化(可視化)し、分析~施策実施~評価のサイクルを繰り返し行なうことがポイントです。

分析用語に翻弄されないためのポイント
顧客分析時にはどのような点に注意したらよいのでしょうか。データ分析には様々な手法があります。分析という事を考えた途端、分析用語に翻弄され、何に活かすのかわからない分析結果を生み出すことがあるでしょう。しかし、"何をしたいか"目的・課題から考えていくと、どのデータとどのデータを掛け合わせることで何が見出せるのか分析すべき項目を想像することができるようになります。顧客分析は、施策立案に活かせる分析でなければなりません。分析する際はまず初めに具体的な目的・課題を整理することが重要です。
<目的・課題>
- 購入客を増やすには?
- リピート購入してもらうには?
- 優良顧客に育成していくには?
- 顧客が離反していかないようにするには?
- ROI向上させるには?
<見るべきポイント>
- ターゲット顧客は誰か?
- どんな顧客がどんな商品を購入しているか?
- 離反していく要因は何か?
- マーケティングや営業活動との相関性は?
実は奥が深い!RFM分析だけではないCRM分析
何を見出したいのかによって異なる分析軸
CRM活動の中で分析する内容は、大きく二つの分野に分かれるのではないでしょうか。
- 広告やキャンペーン、施策などプロモーション分野の効果分析、ROI分析
- RFM分析やLTV分析など企業貢献度を図る顧客ロイヤリティ分野の分析
企業や部門により、分析・重要視しているポイントは様々ですが、CRM戦略を全体で捉えるには、データの掛け合わせによって見ることが必要になります。
データの掛け合わせ分析とは
では、データを掛け合わせるとは具体的にどのようなことを指すのかをご紹介します。
例えば、「リピート顧客を増やすには?」と考えた時に、"顧客の現状はどうなのか?"を知る必要があります。顧客の属性、購買パターン、施策反応状況等、各々の状況把握だけでなく、これらを掛け合わせることで、顧客の状態を詳細に知ることが可能となります。目的によって何を分析軸とするかを決め、さらに掘り下げて分析していきます。また、期間比較をして顧客の動きを見ることで顧客の離反状況や、施策効果を見ることができます。

RFM分析など単体の分析だけでなく、社内に蓄積された様々な顧客データを掛け合わせ多角的に分析することで、具体的で特徴的な顧客セグメントを生み出します。いくつもの生み出された顧客セグメントは、より顧客に適した施策へ繋げ、また、マーケティングオートメーションシステムとの連動で、CRM活動の効果を高めます。データを掛け合わせて見ることは、最適なマーケティングデータを生み出すことになります。
活かせる分析結果を生み出す3つのポイント
効果の最大化
「顧客属性」と「購買パターン」と「施策」との掛け合わせ
購入に至りやすい顧客の特性を把握するCRMの標準的な分析で、顧客の「いつ」「何を」「いくら」「どこで」の傾向を出し、どの施策に反応したかの影響度合いも計ることで、効果の出る施策を打ちやすくします。
離反阻止
「購入顧客像」と「離反顧客像」との比較
購入に至りやすい顧客と、離反した顧客にどのような違いがあるのかを見ることで、施策に利用します。ただし、離反した原因は特定できないため、あくまで傾向として捉えるが、離反するタイミングが最も分析結果として出やすいため、アプローチのタイミングに活かすことができます。
将来性
「購入顧客像」と「顧客の価値観」との相関関係
購入に至りやすい顧客の特性を購買パターンだけでなく、顧客のライフスタイルなどの価値観と掛け合わせることで、どのような顧客に今後もニーズがあるのかを見極めることができ、商品・サービス開発にも有効です。
更新日:2018/4/27/公開日:2008/9/29
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